CEOの直属部下は「首席補佐官1人」だけ

Anthropicの共同創業者でCEOのダリオ・アモデイ氏は、Bloombergのエミリー・チャン氏とのインタビューで、自身が直接マネジメントしているのは首席補佐官(chief of staff)ただ1人だと明かしました。経営チームのその他のメンバーは全員、共同創業者で社長のダニエラ・アモデイ氏に報告し、彼女が日々のオペレーション全般を統括しています。

ダリオ氏はこの体制について「信じられないほど自由になれる(incredibly freeing)」と語り、戦略、カルチャー、研究の方向性、そして文明の未来に関するエッセイ執筆に集中できる環境だと説明しています。

同業他社と比べて極めて異例

この組織構造は、AI業界の他社と比べても異例とされます。報じられているところでは、OpenAIのサム・アルトマン氏の直属部下は半ダース(約6人)ほど、Nvidiaのジェンスン・フアン氏に至っては数十人規模の直属部下を抱えているとされ、CEOが1人しかマネジメントしないAnthropicの体制との差は大きいといえます。

7人の共同創業者全員が在籍

ダリオ氏はインタビューの中で、アモデイ兄妹を含む7人の共同創業者全員が今もAnthropicに残っている点にも言及し、「この領域で全共同創業者が残っているのは基本的に我が社だけだ(We’re basically the only company in the space)」と述べました。

Anthropicは創業から5年あまりで評価額が約1兆ドルの水準に達しており、急成長を遂げるなかでも創業時の体制と人材を維持している点を、ダリオ氏自身が組織の強みとして位置づけています。経営の実務をダニエラ氏に委ね、CEOが研究と長期方針に専念するこの構造は、急拡大するAI企業のガバナンスのあり方として注目される事例といえそうです。

関連リンク