ユーザーを「引き込む」設計を意識的に避ける
Appleのエンジニアリング担当上級副社長(SVP)クレイグ・フェデリーギ氏は、iOS 27に搭載される新しいSiriの設計思想について次のように語った。「多くの既存チャットボットは、ユーザーのエンゲージメントを高めることに重点を置いています。おべっかを使い、引き込もうとする。Siriはそれとは真逆で、『私の役割はそこではない。あなたのタスクを完了させることが仕事だ』というスタンスを貫きます」。
ロマンス的な関係を求めるユーザーの働きかけや、感情的な依存を促すような応答を排除することで、Siriを純粋な「道具」として位置づける姿勢が明確だ。
AppleのAI戦略——テクノロジーを「透明」にする
AppleはAIを前面に押し出すのではなく、ユーザーが意識しなくても機能する「背景に溶け込む技術」を目指している。フェデリーギ氏は「ユーザーがプロンプトの専門家になる必要がない状態にしたい」とも述べており、操作の敷居を下げることを重視している。
Gemini搭載の新Siri——約2年の遅延を経てWWDC 2024で発表
今回の新しいSiriは、約2年の開発遅延を経てWWDC 2024で正式に発表された。Googleの「Gemini」を基盤とし、カメラやフォトなどAppleの標準アプリと深く統合されている。ウェブ検索、画面上のコンテキスト把握、個人情報を活用したタスク実行が可能で、テキストと音声の両方で操作できる。
ChatGPT・Claudeと競合する専用アプリも投入
AppleはSiriの独立したアプリも別途リリースする予定で、OpenAIの「ChatGPT」やAnthropicの「Claude」といったスタンドアロン型AIアシスタントとの直接競合を図る。機能面での充実と「依存させない」設計思想を両輪に、差別化を進める構えだ。
出典:Engadget