スマホを「使わない」ことで稼ぐ逆転の発想

アンドリュー・ヤン氏が創業したNoble Mobileは、ユーザーがスマートフォンの使用時間を抑えると金銭的な報酬を受け取れる仕組みを採用している。SNSや動画アプリが人々の時間と注意を奪うことで収益を上げる「アテンション・エコノミー」への対抗手段として設計されており、規制ではなくインセンティブによって行動変容を促す点が特徴だ。

ヤン氏はTechCrunchのポッドキャスト「Equity」(ホスト:Rebecca Bellan氏)に出演し、このスタートアップの構想と意図を語った。

2020年の「予言」が現実に

ヤン氏は2020年の米大統領選に出馬した際、AIと自動化が雇用市場を空洞化させ、富の集中を招くと訴え、ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)の導入を主要政策に掲げた。当時はフリンジ(異端)扱いされたこれらの主張は、現在ではAnthropicのDario Amodei氏、OpenAIのSam Altman氏、上院議員のBernie Sanders氏らも公に議論するテーマとなっている。

ヤン氏が警鐘を鳴らしてきた課題——労働市場の変容、富の偏在、そして人々の注意を資源として扱うビジネスモデル——は、AIの急速な進化を背景に改めて社会的な関心を集めている。

政府が動かないなら市場で解決する

Noble Mobileのアプローチの核心は、「政府が対処しないなら市場原理で解決する」という発想にある。アテンション・エコノミーへの規制は各国で議論が続くものの、実効性のある制度設計はいまだ困難な状況だ。同社はその空白に対し、ユーザー自身が利用抑制のインセンティブを受け取る仕組みで切り込む。

ビジネスモデルの持続可能性や収益源の詳細は現時点では明らかになっていないが、デジタル依存と経済格差という2つの社会課題を同時に射程に入れた試みとして注目を集めている。


出典:TechCrunch

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