評価額をほぼ倍増させる大型調達の交渉
2023年設立のMistral AIが、新たな資金調達ラウンドに向けた協議を進めていることをBloombergが報じた。調達額は約30億ユーロ(35億ドル)、提示評価額は約200億ユーロ(231億5,000万ドル)とされる。2025年9月のシリーズCで付いた評価額117億ユーロからほぼ倍増する水準で、PitchBookによると同社はこれまでに累計約40億ドルを調達している。交渉はまだ初期段階にあり、条件や規模は変わる可能性がある。
「欧州のソブリンAI」としての差別化
Mistral AIは、米国のAI企業とは異なるアプローチを採っている。オープンウェイト(モデルの重みを公開)の基盤モデルと、特定用途向けのクローズドモデルの両方を提供しており、「フロンティアAIを誰もが使えるようにする」という方針を掲げている。
この路線は、欧州各国が米国テック企業への依存を見直す動きと合致している。同社はフランス軍やルクセンブルク政府、欧州の複数の大手企業と提携しており、パリ近郊でのデータセンター建設も進めている。欧州の「デジタル主権」への関心の高まりを背景に、同社は欧州独自のAI基盤としての地位を強化しつつある。
米AI大手との規模差は依然大きい
OpenAIの評価額は約1,860億ドル、Anthropicは約1,612億5,000万ドルであり、Mistral AIとの差は依然として大きい。ただし、欧州市場での政府・企業との連携実績を積み上げており、今回の調達交渉はその存在感の高まりを反映したものとも言える。