突然の「強制徴用」——4月に届いた異動メール

今年4月、Metaの多くのエンジニアやプロダクトマネージャーのもとに、新設部署「Applied AI」チームへの配属を告げるメールが突然届いた。事前の打診はなく、従業員が選べる選択肢は「配属を受け入れるか、退社するか」の二択のみだったとされる。現在この組織には約6,500人が所属しており、設立からまだ3か月ほどの組織としては異例の規模だ。

チームを率いるのは、Reality Labs部門での実績を持つ12年選手のMeta社員、Maher Sabaだ。立ち上げ当初は1人のマネージャーに最大50人が報告するという極めて扁平な管理体制が敷かれており、組織運営面の混乱も指摘されている。

「魂が砕かれる」——データラベリング業務への強い不満

Applied AIチームに課された主な業務は、AIモデルの学習に使うパズルやコーディング問題の作成だ。通常であれば外部のコントラクターが担うようなデータラベリング的な作業を、Metaは意図的に社内エンジニアに担わせる方針を選んだ。

Metaはその理由について、「エージェント型AIが人々の日常作業をどのようにこなすかを理解するため、実際の作業例をもとにモデルを学習させる必要がある」と説明している。しかし現場の反応は厳しく、「ほとんどの人が魂を砕かれるような作業だと感じている」「まるでグラーグ(強制収容所)だ」といった声が上がっている。

社内騒乱——ライブ配信妨害と全社的な請願書

不満は具体的な行動にも発展した。社内のライブ配信プレゼンテーション中に参加者が乱入し、幹部を侮辱する言葉を叫ぶ妨害行為が発生した。

また、MetaがAIモデル学習を目的として従業員のマウスクリックやキーストロークを監視していることへの抗議として、Applied AIチームの枠を超えてMeta全社の従業員1,600人超が連名で請願書に署名した。反発が特定部署にとどまらず、組織全体に広がっている実態を示す動きだ。

ザッカーバーグが「ミス」を認める

CEOのマーク・ザッカーバーグは社内メモの中で、一連の組織変更が従業員に「不安を引き起こした」と認め、対応に誤りがあったことも認めた。「世界で最も優秀な人材が最大のインパクトを発揮できる場所であること」をMetaの目標として掲げてはいるが、現場との信頼回復には至っていない。

出典:TechCrunch

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