急拡大する定置用蓄電池市場

大規模定置用蓄電池の販売量は過去2年で倍増した。Solar Energy Industries Associationの予測では、2030年までに年間インストール量が110GWhを超える水準に達するとされている。

成長を牽引する要因は主に三つある。AIブームによるデータセンターの急増、輸送・製造・空調設備の電動化、そしてデータセンターの電力需要が今decade末までに現在の約3倍に膨らむという予測だ。GMのバッテリー担当役員Kurt Keltyは「データセンターは成長の大きな要因だが、それがなくても市場は本格的に動き始めていた」と述べている。

TeslaがリードするなかGMが追う

現時点でこの市場を圧倒的に主導しているのはTeslaだ。昨年設置された57GWhのうち82%をTeslaが占め、エネルギーストレージ部門の粗利益率は約30%に達する。これはGMが過去15年間で平均してきた粗利益率11%を大きく上回る水準であり、自動車メーカーにとっての収益的な魅力を示している。

GMはこれに対し、新たな電池化学の開発で対抗しようとしている。同社が打ち出したのはナトリウムイオン電池だ。原料が安価で調達も容易であり、アクティブ冷却が不要で充放電サイクル数も多い。加えて、サプライチェーンの供給をほぼ握っているリチウムイオン電池と異なり、中国が材料供給を独占していない点が強みとして挙げられる。

GMのAndy Ouryは「サプライチェーンの強靱化と低コスト材料の調達に向けた道筋が開ける」と説明し、「ナトリウムイオンはまだ黎明期にあり、投資する意欲があればどこでもサプライチェーンを育てられる余地がある」と語った。商用化は今decade後半を予定している。

EV向け新化学と市場競争の展望

GMはEV向けにもリチウムマンガンリッチ(LMR)という新たな電池化学を開発中で、2028年のデビューを目指している。製造コストを10%削減できる見通しで、将来的にエネルギーストレージ市場への転用も検討対象に含めている。KeltyはEV向けとしての長期的な適否について「まだ決まっていない。だが研究を続ければ、そちらに進みたい場合に対応は容易になる」と述べた。

スタートアップも資金調達を加速

蓄電池スタートアップにも投資が集まっている。Base Powerは10月にシリーズCで10億ドルを調達し、Lunar Energyも2億3200万ドルの資金調達を完了した。Lightshipはモバイル蓄電池事業へのピボットを進めている。

一方でBase PowerのPaul Mensonは「どんな市場も永遠に成長し続けることはない。だからこそ最良の製品を持つことが重要で、最高の製品があれば市場が縮小しても生き残れる」と語り、製品競争力の重要性を強調した。

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